もくじ
- 怖いことはとくになかった
- 実感した実名・顔出しのメリット
- メディア運用の経験から情報発信時に注意している点
- 企業公式SNSアカウント運用時の粘着垢の話
怖いことはとくになかった
独立していちばん迷ったことは実名・顔出しでの情報発信です。企業や個人の方のブランディングでは実名・顔出ししたほうが信用を得やすいので、クライアントには常日頃推奨しています。それがわかっているのに言ってる当人が実名・顔出しを躊躇っていたのは、検索結果に残ることが嫌だったのと、もともと自己開示に積極的ではないというのも理由です。
ですが、ブログや自社サイトを立ち上げたり、Facebookのコミュニティ規定違反の問題もあって結果的に実名・顔出しが必要になり、やってみたら怖いことはとくに何もなかった……むしろ出したほうが色々ラクということがわかってきました。
実感した実名・顔出しのメリット
自社サイトやブログを実名・顔出ししてみて感じたメリットをまとめてみました。
実名・顔出しのメリット
・経歴や背景を事実として説明できるので信用を得やすい
・知り合いの方に自分のバックボーンが伝わりやすい
・MTG時等での話のネタになる
・人となりが伝わりやすい
・自己開示により読み手の共感を得やすい
総じて、「関係性構築にスピード感が生まれやすい」と感じています。いや、知ってたんですけど、やっぱり怖かったんですよね。とはいえ、情報発信のしかたを間違えると、困ったことが起こる可能性も十分あり得るので、注意は必要だと思っています。
メディア運用の経験から情報発信時に注意している点
WEBメディアはSNSを組み合わせて運用することがほとんどです。公式サイトやブログ等はストックメディアとして存在するので、メディア単体だけで困るようなできごとが起こることは比較的少なく、導火線となるのは関連するSNSであるケースが多いです。
企業やメディアの公式SNS運営の際に気をつけていることをまとめてみます。個人と企業公式での情報発信では少し性質が異なりますが、方向性としては同じと考えています。
誤解を生まないSNSでの発信のコツ
・発言はポジティブにする
・誤解を生みにくい言葉遣いで発言する
・できるだけ丁寧な言葉を使う
・何ツイートか続く場合は「続いている」ことがわかる投稿にする
「承前」とか「続く」とか「続き」とか(一部発言切り取り対策)
・公序良俗に反する発言はしない
・政治や宗教などの話題に触れない
・RTや引用RTの際、元発言のソース元を確認してから行う
・ネガティブな発言や批判はしない
このほか、こんな視点も必要かなと考えています。
デジタルマーケティング的視点でのSNS発信のコツ
・情報発信のジャンルを絞って投稿する
・適度にハッシュタグを使う
・伝えたいユーザーを想定した言葉遣いにする
・読んだ人がポジティブな気持ちになる発言を心がける
とはいえ、SNSでフォロワー数や発言数が増えると、困ったことが起きやすいのも事実で、そこはもう別途対策するしかないかなと思っています。
企業公式SNSアカウント運用時の粘着垢の話
余談ですが、インターネットは匿名の世界だと思っている方が多いですが、匿名ではありません。いくつか条件が揃えば、個人特定は不可能ではありません。
以前自社の公式アカウントをいくつか運用していたのですが、そのうちのひとつのアカウントで「中の人」が発言する運用をしていて、非常に強く粘着されました。会社のリスク管理委員会にも相談しましたが、対象アカウントが匿名だから会社として対応のしようがない、というところでふわっと終了。
しかしながら、毎日粘着垢さんに攻撃されるので滅入るんですよね。公式アカウントなので当たり障りのないことしか言っていないにも関わらず。
ここはデジタルマーケティングの腕の見せ所と思い直して、「匿名アカウントだから何もできないだろう」と毎日毎日暴言をぶつけてくるユーザーの方のことを調べ尽くしまして、どの辺に住んでいる何歳の主婦の方というところまでわかったんです。なので、その方にDMをしたんです。こんなふうに。
「今ご自宅近くの○○区○○3丁目のコンビニにいます。現在ご在宅ですよね。よかったら少しお話ししませんか?」
ピタッと嫌がらせは止みました。
匿名アカウントだと思って発言しているのに、今あなたが家にいるのはわかっているから、近所のコンビニに来てって言われたら怖いですよね。言うほうもどうかと思いますが、私もけっこう参ってたんですよね。公式アカウントの中の人も、ただの人ですし。
当該粘着垢の方は多くの公式アカウントに強い口調の粘着コメントをたくさんされている方で、その後もほかの公式アカウントに元気に粘着されていました。今もお元気ですかねえ(遠い目)。
最近は法律面でもクソリプ対応策やその方面に詳しい弁護士の方も少しずつ増えてきていますので、状況も変わってきているとは思いますが、私自身が実名・顔出しが憂鬱な理由、SNSで気軽なつぶやきをしない理由は、こういったところに起因しています。困ったことが起こったら、またなんらか対策しますが。
その憂鬱さが大きな心理的ハードルとなって実名・顔出しにためらいしかありませんでしたが、それでも、やってみたらメリットのほうがあると思い始めた昨今です。
ということで、私と同じ憂鬱を抱えている方の参考になりましたらうれしいです。