X(旧Twitter)を蝕むインプレゾンビ問題。その実態と対処法。また、インプレゾンビの手法から学ぶX(旧Twitter)のインプレッション向上のコツをまとめました。
インプレゾンビとは、X(旧Twitter)におけるインプレッション(ツイートの閲覧数)を不自然に増やすbotアカウントのことを言います。トレンドやリプライの多いハッシュタグやポストに出現し、閲覧性を阻害します。そのため、トレンドやハッシュタグを閲覧しても元ネタや元記事がわからず、インプレゾンビにタイムラインが埋め尽くされてがっかりすることが増えました。以下、対処法です。
もくじ
インプレゾンビの対処法
その対処法がこちらのポスト。「lang:ja near:東京 within:950km」をつけて検索すると、きれいにインプレゾンビが消えます。
範囲指定を下記のように変更すると、北海道まで範囲を拡げられます。
インプレゾンビが現れる理由
そもそも、なぜどうしようもないほど湧いて出てしまうのか。ちょっと調べてみましたので、簡単にまとめてみます。
インプレゾンビの活動目的
- 特定のアカウントのインプレッション数(閲覧数)を不自然に増やしたい
- ターゲットとなるアカウントのツイートを閲覧させることに特化
- 特定アカウントの人気度を不正に操作し、影響力を実際より大きく見せたい
この活動目的を通じて何をしたいかというと、可能性として指摘されているのは次の4つのケースです。
- ステルスマーケティング
企業や個人がインプレゾンビを使って自社製品やサービスの宣伝を行い、インプレッションを購入することで露出を増やすことができる。
- 影響力を伸ばす
インフルエンサーや有名人を装ったインプレゾンビを運用し、そのアカウントの影響力を使って広告やスポンサードコンテンツを配信する。
- 情報操作
特定の政治的・社会的な目的をもつ組織から資金を受け取り、世論操作のためにインプレゾンビを使う。
- bot運営サービスを伸ばす
1~3を行うためのインプレゾンビを作り、運用によって企業がサービス提供を行い、利益を得る。
インプレゾンビのインプレッション表示率が高い理由
ちなみに、インプレゾンビはX(旧Twitter)のインプレッション率を高めるアルゴリズムを的確に押さえており、インプレッションが高くなるのも特徴です。とくにインプレゾンビが押さえている点を真似することで、自分のツイートのインプレッション率を高める参考にもなるので、そういう視点で見ると違う何かが見えてくるのかなとも思います。
表示率を上げるためにインプレゾンビがやっていること
- 1秒動画の投稿
X(旧Twitter)のアルゴリズムでは、動画投稿はテキストや画像よりエンゲージメントが高くなる傾向があり、インプレッションが高まりやすい傾向があります。加えて、投稿動画の冒頭数十秒が再生されると「視聴継続率」が高いと判断され、インプレッション率が上がります。
- トレンドのハッシュタグの悪用
本来のハッシュタグがもっていた意味とは全く無関係の投稿を大量投稿することで、ハッシュタグの意味を変えたり、会話を妨害します。
- トレンドのハッシュタグの一斉投稿
X(旧Twitter)のアルゴリズムは、関連性の高いハッシュタグのあるポストを優先的に表示する傾向があります。そのため、関連性のないハッシュタグを一斉に投稿することで、関連性がない投稿を関連性があるように情報操作を狙っています。
- 一般アカウントのふり
botアカウントであることが見破られないよう、インプレゾンビのアカウントはテキスト投稿・画像投稿・1秒動画投稿など、バリエーションに富んだ投稿をします。そのことで、一般的なアカウントとであるよう装っています。
インプレゾンビに学ぶ、投稿のインプレッションを上げる3つのコツ
上記にまとめましたとおり、インプレゾンビによるX(旧Twitter)のアルゴリズムハックは見事なんです。アカウントのインプレッションを上げるために行いたいお手本にもなります。以下3点が投稿のインプレッションを上げるコツとも言えます。
- トレンドのハッシュタグを使う
- テキスト投稿に関連する短い動画を投稿する(1~5秒程度)
- テキスト投稿・画像投稿・動画投稿など、バリエーションに富んだ投稿を心がける
小さなことですが、意外と効果がありますので、ぜひ試してみてください。
イーロン・マスクがこの事態を放置している理由
確証のない噂レベルの話ではありますが、以下のような説があるようです。
- マスク氏は表現の自由を重視しているため、インプレゾンビを完全に排除することは表現の自由を侵す可能性があると考えている
- botアカウントを完全に削除することは、技術的に難しい。実際、一斉削除を試みて、一般ユーザーのアカウント凍結が起こっている
- X(旧Twitter)のアカウント数が減少傾向にあるため、botを大量削除することがユーザー数減少にもつながりやすい。また、それによって広告主に対するX(旧Twitter)の価値毀損につながる可能性がある
- X(旧Twitter)が抱えている課題の中で、インプレゾンビよりもほかに優先すべき課題がある(収益化・技術的改善など)
※繰り返しますが、確証はありません
まとめ
そういうわけで、インプレゾンビは検索時に「lang:ja near:東京 within:950km」や「lang:ja near:小笠原諸島 within:1900km」を検索キーワードに加えると消えますので、ぜひ試してみてください。
余談ですが、インプレゾンビの表示が増えすぎて、X(旧Twitter)を開くのが憂鬱になってしまい、毎日の投稿を続ける気力も失ってます。これで少しストレスが減るといいのですが。